ヒバリさんと出会った結婚式から2週間後。イタリアにいるツナ子は並盛高校に転校することになりました。前々からリボーンの提案で日本文化に触れて来いと言われていたツナ子でしたが断固として反対していた子がどうして並盛にいるのかというと、風師匠と話した時にヒバリさんが並盛高校の生徒だということを聞いたのが原因です。ヒバリさんに一目惚れしたツナ子はもう一度会いたくてイタリアから転校してきたのでした。とりあえず日本語は話せるので生活には困りません。奈々ちゃんも一緒に来てるので学校の近くのアパートから通っているのでした。
転校3日目、やっとヒバリさんと再会することができました。といっても遅刻しそうになって髪の色のことで風紀委員の人に染めていると勘違いされたところを助けてくれたのです。
「だ、だからこれは地毛なんです!信じてください…っ!」
「ちょっと、さっきから騒がしいんだけど」
「申し訳ございません!この生徒が、」
「君、あの時の」
「あっえっと、おはようございます!」
「君ここの生徒だったんだ」
「月曜から転校してきました、沢田綱吉です」
「つなよし…?変わった名前だね」
「よ、よく言われます…すみません…」
「別に謝ることないと思うけど。草壁、この子の髪は校則違反じゃないから通していいよ。でも…」
怖いリーゼントの人から解放されるとほっとしたのもつかの間。ヒバリさんに腕を掴まれて校内へと連れていかれました。上履きに履き替えて人気のない廊下をヒバリさんの後をついていきます。どうやら応接室へと向かっているようです。こんなに近くに居るのは結婚式ぶりでツナ子は緊張してしまいます。なんだか顔まで赤くなってきました。
「ねぇ」
「はっはい!」
「君のことなんてよんだらいい?」
「オレのことですか?えっと沢田…と呼んでいただければ…」
「名前で呼ばれるの嫌だから?」
「えっ…」
「さっき謝ってたし、名前言った時に泣きそうだったら」
「それは…小さいころちょっとだけ日本にいたことがあってその時にからかわれたの思い出しててしまって…」
「そう。じゃあ、」
「で、でも!ヒバリさんになら呼ばれてもいいかなって…あ、すみませんオレいきなりこんなこと」
「名前で呼んでもいいの?」
「はい!」
なんだか、ほんわかな空気になったヒバリさんとツナ子は応接室で一時間目を過ごします。
ヒバリさんがツナ子を応接室に連れてきたのはある理由がありました。
「その髪、色はいいんだけど寝癖はなんとかしなよ。風紀が乱れる」
「寝癖、に見えますか…?」
「違うの?」
「オレ、髪の毛が跳ねやすくてこれでもアイロン当ててきたんです」
「そうなんだ。それにしても…」
「アイロン使ってもこうなの?」
「はい…(しゅん)」
「夜、髪の毛ちゃんと乾かしてる?」
「一応は」
「ブローの仕方で跳ねるのをある程度抑えられるんだけど。ちょっと待ってて」
ヒバリさんは携帯を取り出して誰かに電話しました。5分ほどだつと校門にいたリーゼントの人がドライアーとか小さな紙袋を持ってきました。袋の中には丸っこい櫛とスプレーの缶、ワックスが入っていました。するとヒバリさんはツナ子の髪をブローし始めました。
すぐ後ろにはヒバリさん。しかも髪の毛を触られてドキドキしっぱなしのツナですが仕上がった髪の毛に驚きます。さっきまでの跳ねた髪の毛はどこへやら。ストレートとまではいきませんが、サラサラの落ち着いた髪の毛になっているではありませんか。
その日からツナ子は毎朝応接室でヒバリさんに髪の毛を整えてもらう日々が始まります。遅刻もしなくなって、HRまでのちょっとの時間にヒバリさんと話せるので学校に行くのが楽しくなったツナ子でした。
普段ヒバリさんは美容室関係の仕事はしません。ツナ子だけ特別です。
[2回]
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