デートの最後は観覧車っていうのは王道に入りますか?
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リボーンの気まぐれで守護者全員で遊園地に行くことになってツナはハズレくじばっかり引いて散々な一日だったけど最後にくじ引きで雲雀さんと観覧車に乗ることになりました。
雲雀さんに片思いしてるツナはドキドキしながら観覧車に乗りますが、雲雀さんは無言。ずっと外を見ています。ツナは今日のことを話しますが雲雀さんは「うん」「そうだね」と答えるだけで会話が続きません。もともとリボーンがいないと接点がないので当たり前のことなのですがツナはしゅんと肩を落とします。
もしかしたら楽しい会話ができるんじゃないかと淡い期待を抱いていたからです。
そうしているうちに頂上まできていました。そこで誰から聞いたか忘れましたが「観覧車の頂上でキスをすると永遠に結ばれる」というのを思い出しました。
それを信じるわけではありませんが、雲雀さんに好きな人がいるのか気になります。せっかく二人っきりになったんだからと勇気を出して好きな人がいるのか聞こうとします。
「あの…ヒバリさん…」
「……なに」
「好きなひ…っ、好きな食べ物はなんですか?」
「どうしてそんなこと聞くの」
「えっと…オレ、ヒバリさんのことよく知らないですし…」
「僕のこと知りたいの?」
「………はい」
「…ハンバーグ」
「え?」
「好きな食べ物」
「ハンバーグ?」
「なに笑ってるの」
「オレもハンバーグ好きです!おいしいですよね!」
「うん」
「好きな人はいますか?」と聞こうとしましたがヒバリさんにじっと見られて思わず話をそらしてしまいました。でもヒバリさんの好きな食べ物がハンバーグだと教えてもらったので観覧車が下りる頃にはツナはにこやかです。観覧車に乗っていたのは10分前後。それでもツナにとっては最高の思い出です。
それから特に進展はありませんでしたがツナは4年経ってもヒバリさんのことが好きでした。
高校2年の秋。山本が店のお客さんから遊園地無料入場券をもらったからと遊園地に誘ってきました。そこで観覧車がリニューアルしたという話になって、せっかくだから「一緒に乗ろうぜ!」と言われました。
でもツナはヒバリさんとの唯一の思い出が上書きされてしまうんじゃないかと思って誘いを断りました。
「高いところが苦手」とか「観覧車ってカップルが乗るものだと思うし、男二人ってちょっと…」と言って。
そして、日曜日がきました。
久しぶりの遠出+ディーノさんも一緒ということもあり、はしゃぎすぎてしまって乗り物酔いしたツナは一人ベンチで休憩を取っていました。(山本・獄っくん・ディーノさんはお化け屋敷なう)
すると急に目の前が暗くなって顔を上げるとヒバリさんが立っていました。こんな人ごみの中どうしてヒバリさんがいるのか分かりませんが、とても怒っているようです。色々聞きたいことはあるのに腕を掴まれてどこかに歩いていくヒバリさんの背中を見ることしかできませんでした。
触れられたのは初めてだったからです。
しばらく歩いて行き着いた先はあの観覧車でした。カップルが並んでいるのも無視して丁度空席になった観覧車に詰め込まれます。ぽかんとするカップル青ざめるスタッフ。もっと青ざめるツナ。
観覧車はある意味密室です。降りることはできません。
それにヒバリさんはずっと怒った表情で、どうしてこうなったのか説明もしてくれません。
やっと話してくれたと思った言葉が「男二人で気持ち悪いよね」でした。
「高いところが苦手だから無理して会話したんだろ」
「え…?」
「だったら独り言でも言ったら?」
「な、なんで…もしかしてあの時…いたんですか…?」
「君から嫌いになればいい。僕といるのがいやだと思えばいい。」
「ひばりさん…?なに言って…」
「君に直接言われたら諦めがつく」
「何を、ですか…?」
「思わせぶりな態度はやめてくれ。期待してるのが僕だけなんてみじめすぎる」
ヒバリさんが何を言っているのか分かりませんが、この場で自分の気持ちを言わないと、取り返しのつかないことになると超直感が言っています。
「オレは、ヒバリさんのことが好きです」
キスはできませんでしたがヒバリさんは抱きしめてくれました。
でも、きっと3回目観覧車では…。
END
てっぺんちゅーは乙女のロマン!
[2回]
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