***
ボンゴレを継いだ大人綱吉が愛人のひとりもいないのを見兼ねてリボーンが女の人を紹介しますが、綱吉はいつも断ってしまいます。別にホモってわけじゃなく仕事が仕事なだけにお付き合いするひとを危険な目に合わせたくないのと、本気で好きになった子としか付き合いたくない気持ちがあるからです。
でも跡継ぎ問題もあるので、愛人ではなく妻を探そうということになります。最初はお見合い写真を山積みされて仕事の合間に目を通していきますが、これもまた断ります。
そこでお見合いパーティーに強制参加させられてしまいます。マフィアのボスということは隠してイタリアの警備会社の社長と嘘をついて。
パーティー当日。女の子に免疫がないツナはきょどりまくりで自己紹介も噛んでしまいます。周りの女の子は可愛いといってくれますが、恥ずかしくて死にそうです。
そして、円卓の席で自分とは正反対(正面)の席が空いてることに気づきます。遅れてくるのか不参加なのか分かりませんが、ちょっと気になります。そうしてるうちに綱吉のテーブルでの自己紹介は終わります。その時、いきなり会場の扉が開きます。反射的にそちらを見るとありえない人がそこに立っていました。
なんと、雲雀さんが会場に行ってきます。護衛を頼んだ記憶もありません。どうしてここにいるのか聞こうとしていると綱吉の向かいの開いてる席に座ってしまいます。するとスタッフの一人が名札を渡して説明をしています。
「なに、自己紹介?名前は雲雀恭弥、風紀財団の社長…になるのかな。趣味は気に食わないやつを咬み殺すこと。それと」
淡々と自己紹介を済ませて会場になじんでしまった雲雀さん。綱吉はどういうことか聞くためにフリータイムになると雲雀さんを連れ出して問いただします。
「ヒバリさん!こんなところで何してるんですか!?」
「何って婚活」
「婚活!!!??」
「そういう場所なんじゃないの。君だってそのつもりでここにいるんだと思ったけど」
「お、オレはリボーンに言われて…」
「赤ん坊に脅されたのかもしれないけど気に入った子がいたら付き合うんだろ?」
「それは、そう、ですけど…」
「僕はもう決めてるけどね」
「え!?誰ですか!?」
「最後の告白タイムで分かるよ」
そう言い残して会場へ戻った雲雀さんはキャラ崩壊でたくさんの女の子に囲まれて何やら話しています。群れを嫌う雲雀さんがこんなところいるのも信じられないし、ましてあの中に気に入った女の子がいるなんて綱吉は複雑な気持ちになります。チクチクと胸の奥が痛くて雲雀さんを見ることができません。
そうしている間にも時間は過ぎてちょっとしたゲームがあったり、2回目のフリータイムも女の子と話せないまま最後の告白タイムになります。男女それぞれ一本の薔薇を渡され、告白の時にそれを受け取ってもらえたら両想いということです。
綱吉は気になる女の子がいなかったのでカップル成立の拍手をしているだけでした。そして、雲雀さんの順番が回ってきました。雲雀さんが告白したら100%成功るすることは分かっています。カッコいいし、お金も持っていて結婚するには最高の条件です。でも綱吉はその場から逃げ出したい気持ちになります。
どうしてか雲雀さんが女の子と居るところを見たくないと思ってしまったからです。薔薇を包んでいたビニールがぐちゃぐちゃになるまで強く握りしめていたことに気づいたのは足元に黒い靴が視界に入ってからでした。
「君のことが好きだ。結婚を前提に付き合って」
「…………え?」
「返事は?」
「はっ、はい!」
「違う。その返事じゃない」
「あ、すみません…」
「僕と付き合ってくれるの?」
「えっと、いきなりそんなこと言われても…冗談じゃ…ひっ!ないですよね!!」
「いい加減にしなよ。咬み殺されたいの?」
雲雀さんの告白にハッキリと答えてないのに、なぜかカップル成立とみなされて食事券をもらってしました。この状況についていけない綱吉ですが、雲雀さんの様子がおかしいことに気づきます。なんだか具合が悪そうです。急いでホテルの部屋を借りて休ませます。どうやら長時間群れ(女の子)の中にいてじんましんがでていたのでした。
「大丈夫ですか?薬とか持ってないんですか?」
「そんなのないよ。ちょっと横になったら落ち着くよ」
「それならいいんですけど…一応、草壁さんに連絡しておきますね。今日のことは日を改めて話しましょう。オレは帰りますからなにかあったらホテルの人に…」
「何言ってるの。君はここにいるんだよ」
「で、でも…オレがいたら具合よくならないですよ?」
「君といることは群れるとは言わない。出ていくなら咬み殺すよ」
「わっ分かりました!お願いですからトンファー向けないでください!」
「最初から、そう、しな…よ…」
「ヒバリさん…?」
「寝る」
「は、はい…お休みなさい…?」
「……うん」
そのまま眠ってしまった雲雀さんを置いていくわけにもいかず、(咬み殺されたくないので)雲雀さんが起きるまで部屋に残ることにしました。
実は雲雀さんは10年前から綱吉のことが好きで、今回のお見合いパーティーで綱吉に寄ってくる女を追い払うために来たのでした。会場で雲雀さんと話をしていた女の子の半分は綱吉のことが気になっていてそれを雲雀さんの色気(?)で自分を好きになるようにしていたのでした。全ては綱吉をとられないために。
その代償としてじんましんが出てしまいましたが綱吉とカップルになることができたので結果オーライです。
それから綱吉も自分の気持ちに気づいてお付き合いをすることになりました。めでたしめでたし!
[1回]
PR