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そんな10年後の雲雀さんと現代雲雀さんが10年バズーカで入れ替わってツナの前に現れたらどうなるかな。
10年経っても付き合ってないけどお互い好き同志だったとして、中学生のツナに偶然会って指輪のことを聞かれて「沢田はまだ未婚だけど、僕は結婚して一年になるよ(もちろん嘘)」とか言ってツナを泣かせたらいいよね。
本当のことを言おうとして5分たってしまって、入れ替わって中学生雲雀さんはビックリ。だって目の前にはボロボロ涙を流して泣いてるツナがいるんですから。
この時の二人はまだ付き合ってません。ツナは雲雀さんのことが好きで、10年後も雲雀さんと一緒にいられるかななんて妄想してることもありました。付き合うことが出来なくてもボンゴレを通して近くに居られたらと思っています。でもさっき見た10年後の雲雀さんはとても幸せそうに指輪を触っていました。
それは今後、雲雀さんとこれ以上の関係になれないということです。しかも結婚しているということはそれを一番近くで見ていないといけない。そんなこと耐えられません。
だったら今から距離をとらないといけないと思います。雲雀さんと親しくなって変に期待して傷つくのは目に見えているからです。それから雲雀さんを避けるようになったツナ。
一方、雲雀さんはツナがどうして泣いていたのかも分からないまま避けられてしまいます。話しかけようとしても走って逃げられるし、待ち伏せしても超直観とやらで会うこともできません。その代り以前は感じなかったツナの視線が気になります。嫌われているのかとも思いましたが、ツナの視線にはそういう感情は含まれていません。むしろ、その逆。熱をはらんだような、でも視線を外すときにはいつも悲しい顔をしています。
それからツナとの接触を試みますが一度も成功しません。
もう、面倒くさくなってツナのことなんてどうでもいいと思うようになった頃(心の中ではまだ気にしてます)。
ツナが体育の途中、ボールが顔に当たって保健室にいると情報が入ります。たまたま保健室の近くに居た雲雀さんは開いている窓から入ってベッドに寝ている(気を失っている)ツナに触れます。
すると、ツナが目を覚ましてしまいます。でも寝起きのせいかぼんやりとしていて逃げ出す様子もありません。むしろ、雲雀さんの左手を握ってきます。
「ひばり、さん。おれ、今は無理だけど10年経つ頃にはちゃんとそばにいられるようになります…オレ、ダメツナだから結婚式に泣いちゃうかもしれないけど出席はします。雲雀さんの奥さんにもあいさつしなきゃいけないですもんね」
「なに言ってるの。もしかして寝ぼけてる?」
「男同士でどうにかなれるなんて思いません。でも…」
「沢田、意味が分からないんだけど」
「好きになることだけは許してください…絶対に迷惑かけませんから」
またあの時と同じ顔です。泣いている原因は自分にあるのだと直感します。布団の中に潜り込もうとしたツナの腕を引っ張って抱きしめた雲雀さんは初めて自分の気持ちに気づくのでした。
「10年なんて長すぎる。君は今からずっと傍にいたらいい。」
君が想像している未来は絶対に来ないから。
まぁ、この後二人で話をして、タイミングよく10年後雲雀さんは入れ替わって真実を伝えてハッピーエンドです!
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