ヒバツナ生活真っ黒け

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2025-11-26 18:10

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真っ黒け

2010-09-06 23:59

にゃにゃーん！とまたまた、ひばにゃん描いちゃった＾＾

猫耳はジャスティ――――ス！

折り畳みから、昨日言っていたヒバ→←←←ツナです。
しかも、終わりませんでした。すみません続きます＞＜

◇　春を、待つ。

まだ、ヒバリさんのことが怖くてたまらなかった頃。オレは夏休みに山本や獄寺くん、ディーノさんたちと海に遊びに行くことになった。

４人で海に入って遊んでいるとオレは砂の中に埋まっていたガラスの破片を踏んでしまい足の裏を怪我してしまった。すぐに手当てをしてもらって大事にはいたらなかったが、すぐには歩けないし、傷が海水に染みて海に入ることが出来なかった。

他の3人はオレが海に入れないならと、気をつかって帰ろうかと話がまとまりかけていたけれど、まだお昼前だし、せっかく来たんだからとなんとか止めた。お昼ごはんをおごってやると言われてそれを楽しみにして3人の様子を見ていたけれど、ちょっとだけ眠たくなってちょうどパラソルの下だし、と体が傾きかけた時だった。突然ヒバリさんが現れた。

この並盛海岸に巡回に来たというヒバリさんは汗ひとつかかずにじっとオレを見下ろしていた。
すると、オレの足に巻かれた包帯（獄寺くんが救急箱を持ってきていたので）を見てどうしてこうなったのかと事情をかれた。
正直に話すとなぜかヒバリさんは一気に不機嫌になってかなり焦った。オレ、もしかして気づかないうちに怒らせるようなことを言っちゃった！？と青ざめていると「ここの管理者、咬み殺さないといけないな」と話が逸れていた。そして、不機嫌な顔のままヒバリさんはオレに話しかけてくる。

「泳げないくせに海に来て、怪我までしてバカじゃないの」
「…少しは練習したので少しは泳げます。でも海に入れないのはホント残念でした」
「また、来ればいいだろ」
「それが、みんなと予定合うのが今日しかないので…」
「……そう」

と、言ってヒバリさんはその場から立ち去ってしまった。
その後、約束通りディーノさんに焼きそばと飲み物を奢ってもらって楽しい時間が過ぎた。でも、3人の好意でオレの怪我の事を考えて予定より早く帰っることになった。

それから2週間くらいたった頃。オレは道で偶然合ったヒバリさんのバイクに乗せられて海まで連れて行かれてしまう。状況が全く分かっていなかったけど、着いた先はこの前、4人で来た海岸だった。

「足の怪我、もう大丈夫なんだろ」
「え、あ、はい…」
「だったら入りなよ」
「…入るって、どこに…？」
「海に決まってるだろ」
「あの、ヒバリさん…もう8月も終わりますし、さすがに今はちょっと…」

「風邪引いちゃいます」と小さく抗議してみると意外にもヒバリさんは分かってくれたようだ。
シーズンが終わった海に人がいるわけもなく、海を前にふたりで突っ立っているわけにもいかない。なにせ、隣にいるのはあのヒバリさんだ。それでも、帰りたいとは自分からは絶対に言えなかったけ。
しばらく沈黙が続き、オレは足元の貝殻に視線を向けた。とりあえず、なんでもいいから会話をしなくちゃと思ったから大げさに貝を拾ってヒバリさんに見せた。それは桜色の小さな貝殻で、太陽の光を含んでピンク色が増してまるで桜の花びらのようだった。

「き、奇麗な貝殻ですね」
「そうだね。君の爪みたい」
「え？」
「小さいし、色もこんな感じだった」
「オレの爪、こんなに奇麗じゃないです。てか、そんなのいつ見たんですか」
「この前、ここで」
「…あ、あの時…」
「ねぇ、君が泳がないっていうなら帰るけど」
「あのヒバリさん。どうしてオレをここに…」
「また来たそうにしてたから」
「…え、」
「でも、もういい。帰る。ほら、行くよ」
「あっ待って下さいヒバリさんっ！」

すたすたとバイクを止めていた所まで歩いていくヒバリさんを追いかけていて気づかなかったけど、オレは桜貝をしっかりと握っていた。
ヒバリさんが自分が言ったことを覚えていてくれたこと。そして、その願いを叶えてくれたことを自覚すると、帰ってしまうのがもったいないと思ってしまった。でも渡されたヘルメットをかぶることしか出来なかった。これ以上、ヒバリさんがすることを邪魔してはいけないと思ったから。
結局、家まで送ってもらった。そして、持って帰って来た桜貝を机の引き出しの中に入れた。

捨ててしまうことは絶対にしたくなかった。

この夏の想い出は、オレの心に少しだけ変化をもたらすことになる。

＜続く＞

[3回]