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web拍手・日記コメントへのお返事はこちらでさせていただきます。※突発的にエロもあるかも。
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+++ 薔薇なんてまずくて食べられたものじゃないよ +++ その③
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息がかかるほどの距離。
雲雀の手のひらが綱吉の頬をなぞりやがて茶色い髪をそっと指で梳かし始める。
まるで壊れ物をあつかうような優しい動作。
「ねぇ、さっき僕の為らなんにでもなるって言ったよね」
「え・・・?あ、はい・・・」
「それなら食料なんかより僕の恋人になるっていうのはどう?」
「・・・・・・・・・・・・はい???」
いったいこの目の前の人物は何をいっているんだろう。
綱吉は普段はほとんど使わない頭をフル回転させ考え込む。
雲雀が言った言葉をそのまま受け取ると・・・。
俺がヒバリさんの恋人になれる。つまり付き合うってこと?
綱吉は数分前、確かに“なんにでもなる”とは言ったがいきなりこの選択肢はなんなのだろう。
でも、雲雀が提案した通り恋人同士の関係になれるのなら絶対に後者がいい。
「さっきから黙ってるけど僕の話聞いてるの?」
「も、もちろん聞いてます!」
質問をしたのに何の返答も無い綱吉の反応に痺れをきらし雲雀は表情を曇らせる。
そんな不機嫌オーラ全開の雲雀を前にどうしていいか分からない。
雲雀に組み敷かれ綱吉は身動きが取れず、琥珀色の瞳に涙を滲ませ、
ただ見上げることしかできない。
「それで?君の答えはどうなの。」
「俺は・・・ヒバリさんのことが、すき、です」
「ふぅん・・・それなら僕と付き合うのに問題は無いね」
「そう、なりますね」
「なにその微妙な言い方」
「だって・・・」
「だって、なに?」
「嬉しいはずなんですけど、いっぺんに色々ありすぎて・・・」
「ああ、そのことなんだけど・・・」
「でもっお腹がすいたら俺の血をあげますから、いつでも言ってください!」
雲雀の言葉を最後まで聞かず綱吉は強い目で雲雀と視線を合わせる。
大好きな人のためなら何だってやってしてあげたい。
もしも血を全部抜き取られて死んでしまっても構わないと思う。
それくらいの覚悟だって出来ているから。
「その気持ちは嬉しいんだけど、僕が吸血鬼って話は嘘だから」
あまりにも予想外の言葉に綱吉の頭は真っ白になった
(…え???ヒバリさんは吸血鬼じゃない????)
「・・・・・・・・・・・・・・。」
「綱吉。今日、一日で3回も僕を無視するなんでいい度胸だね」
綱吉はそんなつもりは微塵も無い。
ただ理解するのに時間がかかることが多すぎる日なだけであって決して、無視しているわけでない。
「すいませんっ!ちゃんと聞いてはます!で、でもヒバリさんさっき俺の血飲みましたよね!?」
「あれは単に強く吸ってみただけだよ。」
「・・・え??」
「途中で言おうとしたんだけど本当に信じてるみたいだったから言うタイミングを逃したんだ」
「それって俺の事からかってたってことですか・・・?」
「始めは冗談のつもりだったんだよ。でも、君の反応は見てて飽きないし面白かったから」
雲雀は先ほどのやり取りを思い出したのか楽しそうに微笑む。
そうか、ヒバリさんで冗談とか言うんだ。
そんなことをいうキャラではない雲雀だから何の疑いも無しに信じてしまった。
冷静になって考えれば分かることだったのに。
やっぱ俺ってダメツナですね。と笑ってごまかしたい。
しかし、綱吉はあることに気づく。
あぁそうか・・・恋人にならないかという提案も全部ウソなんだ・・・。
しかも俺、ヒバリさんのこと好きって言っちゃった・・・。
本気の自分と冗談の雲雀とでは重なるところなんて何ひとつない。
ただ、綱吉は片思いを暴露したに過ぎない。
つい口走ってしまった告白も、両思いだと浮かれていた自分も恥ずかしい。
一気に体中の血液が綱吉の顔に集中する。
耳まで真っ赤になった綱吉は一秒でも早くこの場から立ち去りたかった。
「おっ俺、帰ります・・・!」
「ちょ、綱吉!?」
覆いかぶさった雲雀を押しのけ綱吉は服も整えないままドアへと急ぐ。
当然雲雀の顔なんて見れない。
さっきから喉に熱いものが込みあがってきている。
前がよく見えない。ダメだ、こんな所でヒバリさんがいるのに。
泣くなんて、みっともない姿を見せられない。
応接室をでたら屋上にでも行こうかな。
夕暮れがさすこの時間は誰もいないはずだから。
ドアノブを掴むまであと3歩。踏み出した足は震えていた。
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自分でも内容を忘れていたくらい放置してました(こら!
しかも、まだ続くって…;
後編はかなり長くなったので二つに分けました。次回でちゃんと完結します!!
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