ヒバツナ生活ココアのお兄ちゃん

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2025-11-25 01:04

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妄想の続きをちょっとだけ！

ココアの精なんているわけない。でも、あの日からあの子が現われることはなかった。

それなのに、見回りから帰ると応接室に人の気配がした。それも、二人。
扉を開けると、またあの甘い匂いがした。ソファーには金髪の外国人とあの少年が座っていた。

「おっ、やっと帰ってきたな」
「おかえりなさい！ヒバリさん」
「君たちここが誰の部屋か分かってるの」
「恭弥の部屋だろ？」
「分かってて居座ってるんだから咬み殺される覚悟はできてるってことだよね」
「ちょ、落ち着けって！ツナがいるんだからここで暴れたらツナがケガするだろ」
「ツナって誰」
「誰って、お前ら初対面なのか？」
「いえ、これで2回目です。でもこの前は自己紹介する前に消えちゃったので…」
「そっか、それじゃ俺が全部飲んだら消えるのか？」
「そうですね。でもまたココアを作ってくれたら見えるようになります」
「君たちバカじゃないの。そんなことあるわけないだろ。君は人間だろ」
「俺がこのココアを入れたらツナが現われたのは間違いないぞ」
「何勝手に飲んでるの」
「いいじゃねーか、ツナも会いたがってたみたいだぞ。どうぜ捨てるつもりだったんだろ」
「捨ててもいつの間にか戻ってくるからおいてたんだよ」
「え！？捨ててたんですか！？」
「ココアは甘いから好きじゃない」
「そんな…」
「じゃあ俺にくれよ。俺はツナに毎日会いたい」
「ディーのさん…あの、おれ…」
「なんで僕を見るの」
「ヒバリさんはオレの事嫌いですか…？」
「嫌いも何も君が誰なのかも知らないんだけど」

「オレはココアの妖精で、ヒバリさんの心を温めにきました！」

真剣な、でも涙をためた瞳に見つめられて心臓がドキリとした。ココアの妖精なんて馬鹿げた話を信じるわけじゃないけど、この子が金髪に取られるのが嫌だった。
ココアの妖精こと、沢田綱吉は甘ったるい香りを纏った不思議な少年。ココアなんて甘いだけの飲み物だ。でも、沢田が現われる条件はココアを作ること、飲むことらしい。

とりあえず、おもしろそうだから捨てることはやめてあげる。

[2回]