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web拍手・日記コメントへのお返事はこちらでさせていただきます。※突発的にエロもあるかも。
ヒバリさんに嫌われていると思っていたのに急に抱きしめられてツナは頭が真っ白になります。
でも懐かしい温もりにドキドキもしています。ほのかに香る石鹸の匂いや伝わる熱は1週間前に感じたものでした。
さらりと黒い髪が頬にかかってくすぐったいなと思っていたらヒバリさんは身体を少し離してくれました。でもしっかりと腰に腕を回されているのでほとんど動けません。ツナは自然と上目遣いになります。するとヒバリさんに小さな溜め息をつかれてしまい泣きそうになりました。でもなぜかヒバリさんは少し笑っていました。
「お金なんか無くても君ならいつでも来てよかったのに」
「えっ、でもそれじゃお店の人に怒られませんか?」
「僕がいいって言うんだからそんなの気にしなくていいよ」
「リボーンが何か言ってきませんか?」
「……僕がなんとかする」
「ヒバリさんはいいんですか?」
「なにが?」
「オレなんかと会うよりも女の人と会うほうが楽しくないですか?」
「僕は君の事気に入ってるんだ。それに女なんて香水はきついし煩いから楽しくなんかないよ」
群れを嫌うヒバリさんがホストクラブで働いているのかというと、経営者であるリボーンと月に一回戦えるという条件があるからです。でもツナを特別客するかわりにその条件を無くしてもいいと思っています。ツナが会いに来てくれなくなるほうが嫌だからです。この時点でヒバリさんは夜の生活中心なので昼間にツナと会うという観念はありません。ですがこれが後々ちょっとした事件の原因になります。
とりあえず、仲直りというか誤解が解けていい雰囲気になるとヒバリさんはツナにキスをしました。今度はバードキスのような軽いものです。でもツナはそれだけでぽーっとなってしまいます。ヒバリさんはそんなツナが可愛くてしかたなくてお持ち帰りしてもいいかな。とムラムラしてるとツナの携帯が鳴ります。
「あ、骸?うん、今ヒバリさんといるよ。えっもうそんな時間!?」
「なにパイナップルからの電話?」
「すみません、ヒバリさんもうお昼休みが終わっちゃうので会社に戻りますね」
「午後から休みにすれば?今からどこか行こうよ。車もあるし」
「えっと、実は2時から大事な商談にオレも行かないといけなくって…」
「そんなのパイナップルに押し付けなよ」
「それが、オレがいないとダメらしいんです」
「君ってそんなに仕事できるの?」
「いえ、オレもよく分からないんですが向こうの社長さんがそう言ってきたらしくて」
「いいじゃない。ひとつ商談がうまくいかなくても会社は潰れないよ」
「で、でも…あの、ひばりさん…」
「なに?」
「今夜、必ずお店に行くのでそれじゃダメですか?オレも本当はヒバリさんと一緒にいたいんですけど仕事はちゃんとしていきたいので…」
「…それなら、いいよ」
「ありがとうございます!」
ちなみに、ツナが行く大事な商談の相手はミルフィオーレの白蘭さまです。ツナの事を狙っているひとりですが、ツナにはヒバリさんがいるので骸やディーノさんと同じ立場になってしまいました。不憫3人組です…;
これは少し先の話になりますが、3人ともヒバツナを温かい目で見守るようになります。時々ツナにちょっかいをだしてヒバリさんを怒らせます。ラブラブなヒバツナをからかって楽しんでます。何だかんだ言ってツナが幸せならいいか、と3人とも思うようになります。
話は戻って、ツナは仕事を定時で終わらせて約束通りヒバリさんに会いにホストクラブに行きます。ヒバリさんはボーイにツナの事を言ってるのですぐに店の一番奥に案内されます。そこはこの前、看病をしてもらった部屋でした。そこはヒバリさん専用のスペースでした。黒いソファーに腰掛けて足を組んだヒバリさんはカッコよくてツナは見惚れてしまいます。
「やぁ、早かったね」
「はい!今日の残業は明日に回してもらうことにしたので」
「残業なんてもうしなくてもいいんだから別に明日に回さなくていいんじゃない?」
「あ、そうか…でも本当にお金はいいんですか?」
「赤ん坊にもちゃんと言ってるから大丈夫だよ」
ツナはヒバリさんに招かれてソファーに座ります。お酒に強くないツナの為にヒバリさんはソフトドリンクを用意しています。あとはお菓子とかフルーツとか。
ホストクラブの雰囲気がまるっきりなくてもヒバリさんはツナとまた会えるだけで十分なのです。それからふたりでいろいろな話をします。お互いまだ何も知らない時なので聞きたいことがたくさんあったので会話は弾みます。
楽しい時間はあっという間に過ぎてしまい終電の時間が迫っていました。時間を気にしつつもまだ帰りたくありません。
「もうこんな時間だね。そろそろ帰る?」
「そう、ですね…」
「じゃあ行こうか」
「あ、はい…」
終電に乗り遅れてもタクシーで帰れば、まだヒバリさんと一緒に入れると思っていたのでツナは重い足取りでヒバリさんについていきます。それでも店の前まで見送ってくれるだけでも十分だよね。と思いますが、ヒバリさんが向かった先は店の裏でした。そして、またあの黒い車がありました。
ヒバリさんもツナと同じ気持ちで、でまだ帰したくなかったのですが仕事に支障がないようにツナと会うというのがリボーンと約束もしていたのでツナを家まで送ることで少しでも長くいられるようにツナを家まで送ることにしました。
ツナの家までつくとおやすみのキスをしてあげます。暗闇でも分かるくらい真っ赤になってツナが可愛くてぎゅっと抱きしめます。
そしてアパートに入っていくツナを見届けてヒバリさんは店には戻らず家に帰りました。
家について携帯を見るとメールを1件受信していました。それはツナからの初メールでした。これでお互いの連絡先を知ることが出来きました。
それからヒバリさんはツナにメールをしたり、電話をかけたりします。
ツナもそれだけでもすっごく嬉しいのですが、やっぱり会って話したいので3日に一回くらいの頻度でホストクラブに通うようになりました。ヒバリさんは「君からの指名以外の受けてないんだ。だから毎日おいで」と言ってくれたのですが、ヒバリさんはホストなので他のお客さんの接客を全くしないなんて出来ないと思ったからです。でもいつ行ってもヒバリさんはツナだけを待ってくれていました。実際ツナはヒバリさんが自分以外を接客してるところを見たことがありませんでした。タイミングがいいんだろうなと軽く考えていました。
そんな生活サイクルが馴染んできた頃、今日はヒバリさんのところに行く日です。今日はヒバリさんが好きだといっていた並盛堂の桜もちを持ってきました。一日限定30個販売でなかなか手に入らないものなんですが昼間にミルフィオーレの白蘭さまがこの前の商談の資料を持ってきたついでにお土産として3箱も持ってきてくれたのです。
ツナはみんなに頼み込んで1箱譲ってもらいました。もらい物とはいえヒバリさんに食べてもらいたかったからです。
すっかり慣れてしまったネオンの光を背にして階段を降りていきます。いつも開店時間の19時にきていましたが今日はいつもより15分ほど早く来てしまいました。でも中を覗いてみるとお客さんがたくさんいました。あれ?時間間違ったかなと思って近くにいるボーイさんに聞いてみると最近は営業時間が30分ほど早まったそうです。
それならヒバリさんいるかなと思って、いつものように店の一番奥に行きます。そこであることに気づきます。ヒバリさんの個室ルームには薄い黒いカーテンが設置してあるのですが、いつもならそのカーテンがあいているのに今日は閉じていました。
それを見てツナはなんとなく嫌な予感がします。近づかない方がいいと心の声がします。それでもヒバリさんに会いたい気持ちが強くてゆっくりとそこへ近づいていきます。カーテンに手をかけようとして中から声がしてびっくりします。だってこの個室にいるのはヒバリさんだけのはずだからです。でも中からは可愛らしい女の子の声もします。そっと覗いてみると栗毛色の長い髪を巻いた女の子とヒバリさんが話をしています。テーブルにはドンペリと高そうなフルーツ盛りが並んでいました。コップはふたつ。
そこにいるヒバリさんはホストの雲雀さんでした。
ツナはそれ以上見たくなくて、音を立てないようにゆっくりとその場を離れます。さっきのボーイさんに桜もちを預けてお店を出ます。ネオン街を力なく歩くツナ。泣いているツナに気づく人は誰一人いませんでした。
あの女の子、高い指名料を払ったのかな。それともヒバリさんのお気に入りの子なのかな。と聞きたいことはたくさんあります。でもそんなの怖くて聞けません。ヒバリさん女の子は煩いから楽しくないって言っていたのにお酒はほとんど残っていませんでした。ツナの頭の中はどんどんネガティブになっていきます。
自分は特別なんだと思い上がっていたことが情けなくてもっと泣いてしまいました。
ツナは泣いたまま電車に乗ることも恥ずかしくてできなくて、でもタクシーがなかなか拾えませんでした。仕方なく店から家まで歩いて帰りました。
その途中、ヒバリさんからの電話がかかってきましたが泣いたままでは話せないので電源を切ってしました。
突きつけられた現実を受け入れるまでに時間がかかりそうだからです。
きっと大丈夫。すぐには笑い飛ばせる自信は無いけれどヒバリさんの前では泣かないようにしようとツナは強く思いました。
ツナはヒバリさんに抱きしめられたり、キスをしてもらったりしていましたが一度も「好き」とは言ってもらっていなかったので片想いだと思っています。
ツナは家まで歩いている間に心の整理をします。恋に疎いツナはヒバリさんがこれまでしてくれたことはサービスの一部だと思うようにします。そう考えるとバリさんの行動にも納得がいきます。
夜の仕事をしているせいか昼間ヒバリさんは寝ていたり、群れを狩ったりして時間が合わないことが多かったのです。もともとお互い昼と夜の仕事で時間が合うはずがないのです。
1時間近くかけて家まで帰りましたがその間にツナは少し落ち着いてきました。
ヒバリさんを好きな気持ちはこれからもずっと変わりません。恋人ごっこでもいいからヒバリさんの傍にいたいのです。
ツナはこれからはちゃんと立場をわきまえて”お客”としてヒバリさんに会いにいこうと決めました。
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