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web拍手・日記コメントへのお返事はこちらでさせていただきます。※突発的にエロもあるかも。
* * *ホストパロは一応これで終わりです^^お付き合いいただきありがとうございました!
ツナは歩き疲れて泥のようにベッドで眠りました。
その晩、ツナはヒバリさんの夢を見ます。
場所はあのホストクラブです。いつものようにヒバリさんが隣にいて他愛無い話をしていました。すると、いつのまにか自分とは反対側の席にあの女の子が座っています。「え?なんで…?」と思っているとヒバリさんはその子とばかり話始めました。ツナが何を話しかけてもヒバリさんはこっちを向いてくれません。思わず腕を掴むと「触るな」という風にその手を振り払われてしまいました。
冷たい視線を向けられてツナはまた泣いてしまっています。涙はポタポタと膝の上に落ちていきます。そんなツナを気にも留めずヒバリさんは女の子とふたりで楽しそうにお酒を飲んでいます。「ひばりさん…」と呼ぶ声も彼にはもう届きませんでした。
身体が温かく、懐かしい香りに包まれながらツナは目を覚まします。目の前には見慣れ天井がありました。ここでさっきまでの光景は夢だったことが分かり、ほっとします。それでもあの光景がいつかは現実になってしまいそうで怖くてまた目を閉じてしまいました。そして掴んだ先、くしゃりと布の音がします。
でもいつもの布団の感触とは違う気がしてゆっくりと目蓋を開けました。するとそこにはいるはずの無い、でも一番会いたい彼の寝顔がありました。
ヒバリさんが一緒に布団で寝ていたのです。
予想もしなかった状況にツナはパニック状態になります。取り合えず落ち着いて考えたいのでヒバリさんから身体を離そうとします。でもヒバリさんは寝ているはずなのにびくともしません。
「な、なんで…!?」
「なにが?」
「へっ!?」
「おはよう」
「お、はようございます…」
「君さ、」
「はっはい…!」
「なんで昨日帰ったの?」
「え?きのうって…」
「店に来てたんだろう?なんで帰ったの?」
「……っ、おれ、昨日はお店に行ってません」
「なんで嘘つくの」
「ウソなんかじゃないです。昨日は友達と飲みに行ってました」
「ふうん…じゃあ、あの桜餅は何?」
「お客さんが持ってきたんじゃないですか?」
「そんなこと絶対に無い。僕の好きなのもが桜餅だって言ったの君だけなんだから」
「……え?」
そんな特別扱いのような言い方やめて欲しい。だってまた勘違いしてしまうから。
こうして抱きしめられてるのだって誰にでもしてるに決まってる。男のオレでもこんなにドキドキして、好きになるんだから女の子なんていちころだよ。そう思うとツナはこれ以上ヒバリさんといれません。ツナはさっきよりも力を入れて身体を離そうとします。
「ちょっと、なに」
「帰って、ください…!」
「やだ。」
「大体なんでヒバリさんがオレの部屋に、しかも一緒に寝てるんですか!」
「いくら声かけても起きなかったし、帰るのも面倒だったから」
「そもそもオレの部屋にどうやって入ったんですか!?」
「この前君を送って行った時に使った鍵を使った」
「オレ合鍵なんて作ってませんけど」
「赤ん坊がくれたんだよ」
「リボーンが!?アイツ勝手に何やってんだよ…!」
きっとリボーンは勘違いしていた自分をからかうためにヒバリさんを差し向けたと考えます。昔から修行だぞ☆と言ってスパルタ教育をいていたからです。ツナは恥ずかしさと悔しさがこみ上げてきて思いっきりつっぱねます。そのかいあってか今度こそヒバリさんから離れることができました。といっても掛け布団を握り締めて壁際に寄る事で精一杯です。ヒバリさんと壁に挟まれた形になりましたが、さっきの状態よりはマシなので少しだけ落ち着くことができました。そんなツナの態度にむっとしたヒバリさんは身体を起こしツナに詰め寄ります。
「君、何か様子が変だよね。なにかあった?」
「別に何もないですよ。気のせいじゃなですか?」
「じゃあなんで目合わせないの。こっち見なよ」
「やっ、やだっ!お願いですから帰ってください!もうヒバリさんとは会いたくないです!」
「さわだ…?」
「おれ、やっぱりむりです…」
昨日あれだけ泣いたのに涙がとまりません。立場をわきまえようと、どんなに思い込んでも好きな気持ちは誤魔化せませんでした。
昨日は”お客さん”として会いに行くと決めたのに手首を掴まれただけで過剰反応してしまいます。嬉しいのにやっぱり悲しくなります。
でもこんな自分でも好きだといってくれた、キスまでしてくれた。その想い出だけで十分だと言い聞かせました。ツナはヒバリさんに会うのがこれで最後にしようと思います。
きっと前のように接する自信が無いからです。だからせめて楽しかった時の事のお礼を言います。
「今さら無理とか何言ってるの。ねぇ、さわ、」
「でも少しの間だけでもオレとの時間を作ってくれてありがとうございました」
「ちょっと、なに勝手に話進めないでよ」
「オレ、ヒバリさんに逢えてよかったです。これからもお仕事、がんばってください…」
「…君は、もう僕に会いにこないつもりなの?」
「ヒバリさんはオレなんかの接客するよりも女の子といる方が楽しいみたいだから。オレ仕事の邪魔したくないです」
「何言ってるの。そんなことないよ。女といるよりも君といる方がいいに決まってる」
「だか、ら…!そういう思わせぶりな言い方はやめてください!楽しかったからお酒だってあんなに飲んでたんでしょう!?」
「やっぱり昨日来てたんじゃない」
「あっ、違うんです今のは…!」
「…もしかして、君ヤキモチ妬いてるの?」
「ヤキモチ!?そ、そんなわけないじゃないですか!」
「顔真っ赤にして言っても説得力ないよ。可愛いだけだからね」
「もうやだ…!ヒバリさんのタラシー!ばかぁー!!オレの気持ち弄んで楽しんでー!」
「弄ぶつもりなんて無いよ。君のこと好きなんだから」
「…へ?」
「ははっ、ヒバリさんはホントにホストなんですね」
「は?」
「ヒバリさんみたいにカッコイイ人がそういうこと言ったら男のオレでも本気にしちゃうじゃないですか」
「君何か勘違いしてない?」
「それは昨日やっと気づきました。だからオレは、」
「君は好きでもないやつを抱きしめたりキスしたりできるの?」
「なんですかイキナリ」
「できるのできないの。どっち」
「オレはできません…けど…」
「僕もそうだよ。僕は君を初めて見たときから気になってたんだ。だから偶然道で君が倒れていた時に助けたのも看病したのだって好きだったからだった。君は驚いていたけど嫌がる様子は無かったから手に入れられると思ったんだ。指名代が払えなくて店にこれないならタダにするのだって君だけだ。」
「それって…」
「僕は初めから恋愛対象として君を見ていたし、接してきた。当然君も同じだと思ってたけどそれこそ僕の勘違いだった?」
「だ、だって、ヒバリさん…順番がめちゃくちゃです。オレ一回も好きって言ってもらってない…」
「さっき言ったじゃない」
「あ、あれはお客さんを引き止めるための口実じゃないですか」
「僕は客に媚売ったりしないよ。そもそも君は客じゃないし。どうしたら君は信じてくれるの?」
嬉しい言葉なのにツナはまだ心の整理ができていないので、どうしていいか分からず顔を背けてしまいました。
ツナはヒバリさんが言っていることが全てウソだとは思っていません。普段感情を出さないヒバリさんがこんなにも感情的になるなんてありえないからです。といってもこの些細な変化に気づけるのはツナだけですが。でもツナはヒバリさんを信じたくても傷つくのが怖くて前に進めないのです。
そんなツナを見たヒバリさんは諦めたかのように手首を掴む力を弱めました。
「こんなことになるなら赤ん坊の言う事聞かなきゃよかった」
「え、リボーンが何か言ったんですか?」
「君の指名代をタダにする代わりにどこかの社長令嬢の接客に回れって言われたんだよ」
「それって、あの茶色い髪の女の子ですか?」
「そうだよ。声は甲高いしベタベタ触ってくるし酒飲んでないとやってられなかったくらい煩わしいにもほどがあるよ。君と会う時間が減るのが嫌だったからわざと時間までずらしたのに」
「えっ…」
「僕は君の事が好きだ」
「お、おれは…」
「でも僕といることが苦痛ならもういいよ」
「そんなこと…」
「ないとは言いきれないよね」
「…っ」
「だから僕のわがまま聞いてくれる?」
「わがままって…?」
「最後にキスさせて」
頬に添えられた少し冷たい大きい手の彼は泣きそうな表情になっていました。
”最後”という言葉がツナの胸に突き刺さります。最後という事はヒバリさんとはもう逢えないことを意味します。自分から突き放しておいてこんなこと思うなんて勝手だと思いますがツナはヒバリさんのわがままは聞けません。それを叶えてしまったらもう二度と会えないからです。
「い、いや、です…」
「そうだよね。好きでもないのにできないよね」
「違うんです、そういう意味じゃないんですっ」
「じゃあなんで」
「最後なんて、言わないでください…っ」
「さわだ…?」
「おれ、ヒバリさんのこと疑っているんじゃないんです。ヒバリさんのこと好きなのに、自信なくて…」
「自信なんかなくてもいいよ。僕の事信じてくれればいい。僕は君が好きだ。だからこれからも客としてじゃなくて恋人として僕と会ってくれる?」
「…は、はい…」
ツナはヒバリさんの言葉が嬉しくてうまく返事ができませんでした。ヒバリさんがそんなツナを優しく抱きしめてくれます。
無事に誤解も解けてこれでやっとヒバリさんと両想いになりました。
この日ツナは正式に雲雀さんの永久指名権を受け取ります。
でもツナはこの時点で永久指名権=プロポーズだと気づいていません。
それからホストクラブの一番奥のスペースではヒバリさんに後ろから抱きしめられたり、膝枕したり、キスされたり、したり。まさぐられているツナがよく見かけられるようになります。本人は恥ずかしながらも嫌がる様子は無いそうです。女性客が3倍に増えたとか増えなかったのか。
そして今日もラブラブな夜を過ごしてヒバリさんとツナはふたりでNO.1になりました。
売り上げアップのご褒美としてリボーンから2泊3日の温泉旅行を貰うのはもう少し先の話。
END!
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