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web拍手・日記コメントへのお返事はこちらでさせていただきます。※突発的にエロもあるかも。
+昨日の続き
あの角を曲がったらお店が見える、というところで綱吉は運悪く怖いお兄さんと肩がぶつかってしまいます。難癖つけられながらも綱吉は必死に謝ります。そんな綱吉を怖いお兄さんたちは綱吉を突き飛ばします。こういったことは昔からよくあるので受け身を取った綱吉は怪我はしませんでした。ところが突き飛ばされた時に財布が落ちてしまいまったのです。
そして、綱吉は大事な10万円が入った財布を取られてしました。
どんなに殴られても、蹴られてもいいからあのお金は取り戻さなくてはいけません。だって、あれはヒバリさんとあえるかもしれない唯一の可能性だったからです。必死に追いかけても綱吉の足では追いつけません。それに、今日は息が切れるのが早く、頭も痛くなってきます。ついに綱吉は力尽きてその場にしゃがみこんでしまいます。
綱吉はこの数週間、食事を何度も抜き、夜遅くまで残業をしたために身体の体力が落ちていたのです。
でもそれ以上にヒバリさんと会えないということが一番のショックでした。
体力的にも精神的にも限界だった綱吉はとうとうその場に倒れてしまいます。しかも雨まで降ってきました。
冷たい雨に濡れながら意識を手放した間際、綱吉は黒い人影を見たような気がしました。
綱吉はお酒と香水の香りに意識を引っ張られて目を覚まします。
すると、見慣れない黒い天井が視界いっぱいに広がります。
そして、そんな天井と同じくらい真っ黒な人物が自分を覗き込んでいました。
綱吉はぼんやりとした頭で考えます。
(ひばりさんが目の前にいる…こんなところいるわけ無いのに…あ、そうかこれ夢だ…。オレ夢に見るくらいヒバリさんに会いたいんだ…)
叶うはずの無い現実が夢になっただけでも綱吉は幸せでした。
でもそれと同時に、夢から覚めたくないと思います。
起きたら何もかも夢だったと実感するからです。
少しだけ涙目になった綱吉に気づいた夢の中のヒバリさんは心配そうに聞いてきます。
寝ていた綱吉を抱き起こして頬にそっと手を載せてきます。壊れ物を扱うような手つきで。
想像の塊であるヒバリさんはどこまでも優しいのです。
「気がついた?まだ具合悪い?」
「いえ、もうへいきです…」
「そう、よかった。ねぇ、なにか食べる?」
「…あの、よかったらお水を、いただけますか?」
「そうだね。栄養も大事だけど水分もとらないとね」
綱吉は差し出されたグラスを受け取ろうとしましたが、なぜか指に力が入らずにグラスごと落としてしまいました。
幸い下は柔らかい絨毯だったので割れることはありませんでした。
水は全て零れて灰色の絨毯の色が濃くなっていくのを見て慌ててグラスを取ろうとしました。でも伸ばした手はヒバリさんによって止められ、手首を掴まれてしまいました。
「いいよ、あとで片付けさせるから」
「でも…絨毯が…」
「取り替えれば済む事だから気にしなくていい。それよりも喉渇いてるんだろ?
「は、はい…」
綱吉の失敗には何も触れず、ヒバリさんは別のグラスに水を注いでくれました。
今度は落とさないようにしないと、と思っているとヒバリさんはそのグラスに口をつけていました。
そして、掴んでいた綱吉の手首を引き寄せて身体を近づけてきます。
綱吉は奇麗なヒバリさんの顔をこんな距離で見た事が無いので思わず、目を瞑ってしまいます。
すると、温かくて柔らかい感触が唇に触れてきました。
綱吉は、なんだろうとそっと目を開けるとさっきよりも近い距離でヒバリさんの顔があります。
それよりも驚いたのは、今自分の唇の温かさの原因はヒバリさんだったことです。
そうです。なんと、綱吉はヒバリさんにキスをされていたのです。
驚いた綱吉は身体を離そうとしましたが、腰と頭の後ろをヒバリさんの手と腕で固定されていてびくともしません。おまけに口の中が冷たくなりました。ヒバリさんはさっきの水を綱吉に口移ししていたのです。
綱吉の必死の抵抗もむなしく、水を飲まされてしまいます。飲みきれなかった水は口の端から漏れて首筋まで流れてきました。
「…は、ぁっ…な、なんで…」
「君は変な質問するんだね。君が喉が渇いたっていったからさっきと同じように飲ませてあげてんじゃない」
「…え、さっきって…」
「君が起きる前にも僕が飲ませてあげたんだよ。覚えてないの?」
「そんなの覚えてません!!それにオレそんなの頼んでないです…!」
「そうだろうね。君は寝てたから。でも赤ん坊が水を飲ませるならこの方法が一番いいって言ったからね」
「赤ん坊…?」
「久しぶりだな、ツナ」
「りっ、リボーン!!?まさか赤ん坊って…」
「俺のことだぞ」
「ちょ、ちょっと待って…これって夢じゃないの?」
「お前、ダメツナライフに疲れて現実逃避するようになったのか?」
「違うよ!!だって、ヒバリさんがこんな所にいるわけ無いじゃん!!」
「こんなところもなにも僕が自分の店にいたらおかしいの?」
「え、店って…」
綱吉はヒバリさんの視線を追って周りを見渡すと見覚えのある内装で気づきました。
ここはディーノさんと来た事のあるあのホストクラブだったのです。
確しかに綱吉はここに来るのが本来の目的でした。
でもお金を取り戻すために怖いお兄さん達を追っかけていたはずです。
綱吉は自分の足でここに来た記憶が全くありません。
「おい、ツナ。雲雀に感謝しろよ」
「え、なにを…?」
「道の真ん中で倒れてるお前をここまで運んだのが雲雀だからだぞ」
「え!!?そうなの!?」
「僕の並盛で生き倒れられたら迷惑だからね。君さ、こんな細い身体で大丈夫なの?今時、栄養失調だなんてどんな生活してるの」
「あとは、過労と睡眠不足、おまけに風邪にもかかりかけてるぞ」
道で倒れていた綱吉を見つけたのがヒバリさんでした。
そして、意識を失った綱吉を店に運んで看病までしてくれていました。
聞きたいことはたくさんある綱吉でしたが、お礼をいうことで精一杯だったのです。
倒れた理由を聞かれても「最近、仕事が忙しくて」とごまかします。
本当は貴方に会いたかったからです、なんて絶対に言えません。
その後すぐに、キスされたことを思い出してしまいヒバリさんからできるだけ離れます。
しかも、会話の内容から2回目だということも余計にパニックになります。
一方、ヒバリさんは急に顔が真っ赤になった綱吉が急にソファーの端にいってしまったことを怪訝に思います。
急に態度が変わった綱吉に詰め寄ると綱吉はまた倒れてしまいました。
一度にいろんな事がありすぎてショートしてしまった綱吉はヒバリさんにお姫様だっこされて家まで送ってもらいました。
次の日の朝、綱吉は自分のベッドで目が覚めます。
昨日の事は夢だったと思いながらも、すこし残念な気持ちになりました。
ヒバリさんに会うことができるのはかなり先になるからです。
また今日から節約生活が再会します。綱吉はまだ諦めていなかったのです。
のろりとベッドから起き上がり、冷蔵庫からミネラルウォーターを飲みに行きます。
そこでヒバリさんとのキスを思い出します。またしても倒れそうになりがならもあれは夢だったんだと自分に言い聞かせます。
それから朝食をたべるためにテーブルにつくと一枚のメモ紙があることに気がつきます。
奇麗な字で書かれた内容は信じられないものでした。
元気になったらまた店においで。
kyouya0505@namimori.ne.jp
090-××××-××××
雲雀恭弥
ヒバリさんに会ったこと、看病してくれたこと、キスをされたこと。
そしてここまで送ってもらったこと。
全てが現実なのでした。
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