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#3
最近、綱吉とアイツの仲がいいのが気に入らない。
赤ん坊公認の家庭教師だか知らないけど、修行という口実で僕とのデートが無しになった事だって数回ある。そのたびに「オレ、強くなってヒバリさんと釣り合えるようになります!」と意気込んで行く彼を見送った。
君は強くなんてならなくていいのに。
どんなことが起きても僕が君を守るだけじゃダメなの。
そして、僕は気づいた。
骸といる君はとても楽しそうで、時々照れたような顔をする。
僕だけに見せていた表情をアイツに向けるなんて許せない。
寒い季節のせいなのかな。
少しだけ、君を遠くに感じるんだ。
君が遠くを見つめる視線の先にはいつも空がある。
* * *
雪がちらつく日曜日の午後。
骸との修行の帰りという彼に偶然出逢ってた。
しかも、今日はいつもと違った。
まだその時、死ぬ気弾の効果が切れていなかった。
以前からハイパーモードという状態でいる彼にはとても興味があった。
普段のふんわりした雰囲気とは全く逆で、凛とした表情は大人びた印象を与える。
何より、この僕に強いと感じさせるんだから。いや、実際強いんだろうけれど。
骸との修行の成果は目に見えて現れたいた。日を重ねるごとに彼は強くなってきている。
久しぶりだ、この感じ。ゾクゾクする。純粋に闘いたいと思った。
戦闘欲が高まり、トンファーを取り出そうとした時だった。
「ひばり…」
初めて呼び捨てで呼ばれて正直驚いた。
そして、オレンジの炎のを灯した彼にキスをされた。
吸い込まれそうな瞳はあの時と同じだった。
僕の先、どこか遠くを見るような視線。
それからゆっくりと離された唇に冷たい風があたり、すぐに温もりが消えてしまった。
温もりが名残惜しくて引き寄せた彼は大きな瞳をより一層見開いていた。
「なんで君がビックリしてるの」
「だっだって…き、キス…おれ…」
「うん。君からしてくれたの初めてだね」
どうやらいつもの綱吉に戻ったみたいだ。
可愛い。顔から熱が伝わるほど真っ赤だった。
やっぱりその表情は僕だけのものがいいな。
そこが道の真ん中だと分かっていても我慢できずに僕からもそっと口付ける。
やっぱり君とのキスは、甘くて蕩けそうだ。
その日から綱吉がよく”強い綱吉”になる時間が多くなった。
額に炎は無いけれど今日だってほら。
「今の君って強いんだよね」
「まぁ以前に比べたら少しはな」
「じゃあ屋上に行こうよ。僕が修行の成果みてあげる」
「今から闘うのか」
「そのつもりで来たんでしょ?」
「…雲雀が、そうしたいのなら…」
「何、僕じゃ相手にならないっていうの」
「そういう訳じゃないが…」
「他に理由があるみたいだね」
「お前と…闘うよりもオレは話がしたい…」
「…話?そんなことでいいの?」
「あと、は…屋上に行くなら…昼寝をしたい…」
「昼寝、ねぇ…」
「だめ、か…?」
「君…上目遣いは反則だよ…」
「…?なんのことだ?」
「いいよ。闘うのはまた今度で。じゃあ行こうか」
昼休みの終わりを告げるチャイムがなる頃には普通の綱吉に戻っていた。
それでもたわいない話は続く。
「ヒバリさんっていつも何時ごろに寝るんですか?」
「別に決まってないよ。寝たい時に寝てるから。でも夜は昼間より目が冴えるから寝ないことも多いね」
「へぇ、そうなんですか。ふっ」
「なんでここで笑うの」
「だってヒバリさん全然変わってないなーと思って」
「そう…」
君と付き合って半年しかたってない。
変わることなんてひとつもないよ。
この週間はもう数年間続いているんだから。
君はいつの僕と比べてるの。
小さな疑問が胸の奥にゆっくりと降りてくる。
それからしばらくして、その疑問は不信感に変わっていく。
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