お酒の時間
10年間ずっとツナに片思いしてる雲雀さん。ツナとは仕事の付き合いだけで月に一回会えばいい方なくらいの距離で、でも会う時はすごく嬉しい(表情には出さないけど)のにヘタレで何も進展できずにいます。
その日も書類を渡しにいくだけだったのに話の流れで守護者だけでの飲み会に行くことになりました。最初は断っていた雲雀さんですがツナの上目使い(←身長差的に自然にこうなる)とお願いでは無下にもできません。
そして、お開きになるころにはみんな酔いつぶれてしまって雲雀さんは日本酒だけだったのでほろ酔い気分、ツナは辛うじて返事が返せるくらいの良い具合でした。隣で顔真っ赤にして、普段のビクビクした態度もないツナがいるとお酒の効果もあって理性が一瞬飛んでました。
雲雀さんはツナにキスをしてしまったのでした。
しまったと思った時にはもう遅くて頭をフル回転して言い訳を考えているとツナとろんとした目をして、ふにゃっと笑いました。もうこのまま押し倒そうかと思いましたがツナが寝てしまったのでその日はキスだけでとどまりました。
あんな反応されでは脈ありと思うのは仕方ありません。雲雀さんはすっかり両想いだと思い込んでしまいます。
飲み会から1週間後。ツナと会う機会がありました。そこで改めて告白をしようと思って「この前のことだけど…」と言いかけるとツナは衝撃的なことを言います。
「あっあの時は送ってもらっていただいてありがとうございました!オレお酒に強くないのにたくさん飲みしぎちゃいました」
「そう」
「だから記憶が飛んでるんですよね」
「………え?」
「リボーンにも言われたことあるんですけど、オレお酒飲むと記憶無くすみたいで…」
「なに、それ…」
「獄寺君の隣で飲んでるところまでは覚えてるんですけど気が付いたらベッドで寝ちゃってたんですよね」
「じゃあ、僕と…、」
「え?」
「いや、なんでもない」
ツナは雲雀さんと会話したことやキスをされたことも覚えていませんでした。
雲雀さんは半日放心状態になるくらいショックを受けていました。10年間思い続けてやっと両想いになれたと思っていたので精神的ダメージは計り知れません。でもここで引き下がる雲雀さんではありまえん。
酔ったら記憶を無くすというツナの体質を大いに利用してやろうと思います。
その日からしつこいくらいにツナをバーに誘うことにしました。最初は酔ったツナにキスをするだけだったので3回に一回くらいはOKしてくれるほどになった頃にはえっちもしちゃってます。どうせ全部忘れるくらいなら何でもありだと考えてしまってるのです。たった数時間だけでも自分のことを好きになってくれているという気分になるだけでいいからです。酔ってないツナとは親密にはなれないので。
そんな関係が続いて半年。ツナの態度が少しだけ変になります。目を合わせなくなったと思ったら仕事に関係ない話をたくさんしてきたり挙動不審な態度が目立ちます。嫌われている風ではないので特に気にしてもいませんでした。だって夜になったらツナは自分だけを見てくれるからです。
ところが、ある日のこと急に音信不通になってしまいます。行方不明とかではなく単に避けられてるようなのです。さすがに2か月も避けられては雲雀さんもブチ切れてしまいます。
そして、先回りしてツナを捕まえます。日本の地下アジトの廊下で詰め寄ります。でもツナは目をそらしたまま話を聞こうとしません。そこでツナを自分のアジトに連れて行き畳の上に転がします。そして日本酒を無理やり飲ませます。もちろん口移しで。最後は瓶の中身をツナにかけてしまうくらいです。
「ちょ、な、なにするんですか…!」
「これくらいじゃ酔わない?もう一本持ってこようか」
「やめて、ください!どうしたんですかヒバリさん!」
「君は酔わないと僕のものにならない」
「え…?」
最初ツナは本当に記憶が飛んでいたのですが、雲雀さんと飲みに行ったときに一度だけ酔ったふりをしてみました。すると、今まで見たことのない雲雀さんがそこにいました。優しく髪を撫でてくれたり言葉にトゲもありません。お酒を飲みながら微笑む雲雀さんにきゅんとしてしまいました。
ほろ酔い気分でこのまま送ってくれるのかなと思っていたらそのままホテルに泊まることになりました。しかもえっちまでしてしました。なんでこんなことするの!?と抵抗しましたが雲雀さんの声や触れる体温が心地よくて流されてしまったのでした。というか気持ちよくて最後の方は自分から動いたりね!(←思い出しただけで転がりまわるくらい恥ずかしいツナ)
そうです。ツナは全部覚えていたのでした。
それからは一度も記憶を無くしたことがありません。優しい雲雀さんと一緒にいるうちに好きになっていったのでした。このままの関係を続けていいんだろうかと悩み始めていた頃。ホテルから出てくる雲雀さんを偶然見かけます。しかも女の人と。ラブホテルからでてくるなんてこれはもう、自分が遊ばれてると思うしかありあせん。失恋のショックは大きく、雲雀さんと会うことも、まして飲みに行くこともできません。
ツナは雲雀さんを避けて距離をとろうとしますが雲雀さんに掴まってしまいます。
しかもお酒を無理やり飲まされたうえ、頭からお酒をかけられます。
いつも余裕たっぷりの雲雀さんはどこにもいません。
はい!ここでいつものようにお互いの気持ちを伝えてハッピーエンドです。
お酒でベトベトなツナをお風呂に入れてそのままやっちゃえばいいよね。これが初めて同意の上のえっちになるからね!←
[2回]
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